STYLE “体”を考える/番外編 着物の秘密

 この感覚は、着物の合わせを固定し、丈を調整するために使われる「腰ひも」によってもたらされる。着付けの要となる腰ひもは、「正しい位置に締めると、重心が決まり、姿勢も精神状態もよくなる」と笹島さん。…腰ひもを結ぶと、自然に体は重心を意識することになり、さらに、幅のある帯が背筋を伸ばす。
 よく着物は窮屈だといわれるが、笹島さんは「とんでもない」と笑う。背縫い(背中の中央の縫い目)で左右の布の動きを分断し、腰ひもと帯は上下の動きを分断して、それぞれにかかる力を吸収する。洋服のように片方の腕をあげると、服全体が動いて、布がつれるようなことはない。腰ひもがしっかり結んであれば、帯はきつく結ぶ必要はないものだ。

30代で初産が常識の時代がやってくる。身体的にもほぼ問題なし

30代の出産は、全くめずらしくはありません。厚生労働省のデータを見ると、平成11年で2人に1人は30代で出産をしているのですから、もう常識なのかもしれません。ひと昔前なら、30代の出産は「マル高」とも言われ、母胎、胎児ともに危険がともなうと特別扱いされていましたが、今では子供を受け入れる環境(精神的な面も含む)が整っていれば、医療や保健面でも十分カバーできると考えられますので、まずは問題はありません。体力もまだまだありますし、栄養も十分に摂取できています(かえって糖尿病や肥満が増えているほど)。胎児の健康状態はもちろん、母胎の様態をチェックする設備も状態に応じて提供されているので、後は母胎になるという自覚を持つことが大切なのです。