安全に“男性自身”を元気にする漢方

 ED治療薬はEDに悩む男性にとって正に救いの神ではあるが、心筋梗塞や頭痛、ほてりといったさまざまな副作用があり、かつ胸痛や狭心症などによく使われる硝酸薬を使っている人は使用できないなど、服用できる人に制限もある。
 現在発売されているED治療薬は、すべてPDE-5(ホスホジエステラーゼ-タイプ5)阻害薬である。陰茎組織にあるPDE-5と呼ばれる酵素は、勃起に関与する生体内物質を分解する作用がある。PDE-5阻害薬はこの酵素の働きをブロックし、結果的に勃起反応を長くし、かつ強化する。
 一方、漢方では、勃起障害などの精力減退は、生命のエネルギー源とされる「腎気」が衰えるために起こると考えられている。…勃起を促す脳や神経の働きが活発になるため、勃起障害の中で最も多い心因性の勃起障害に対して、漢方は優れた効果が期待できる。
 減少した腎気を補うため、漢方では具体的には、補腎剤と呼ばれる「牛車腎気丸(ごじゃじんきがん)」、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」、「六味丸(ろくみがん)」などを使う。牛車腎気丸は疲れやすく、冷えや下肢のしびれが強い人に対して用いる。八味地黄丸は、胃腸が丈夫で、比較的体力がある人の高血圧や糖尿病を緩和し、下半身の機能低下にも有効である。六味丸は、古い書物に「性的衰弱で陰痿、遺精、耳鳴りを訴え、根気無きもの」に効くとあり、牛車腎気丸、八味地黄丸と同じように排尿障害など、下半身の病気に効果がある。

PDE-5阻害薬にみられる副作用が知られてない漢方は安全ということ?