日本最古?明治時代のアニメフィルム、京都で発見

 記録に残る国産アニメの第1号は、1917(大正6)年の下川凹天作「芋川椋三 玄関番の巻」とされているが、それより10年ほど古いという。見つかったフィルムは35ミリサイズ。セーラー服を着た少年が黒板に「活動写真」の文字を書き、振り向いて敬礼するまでを50コマの絵で描いている。1秒16コマで上映すると約3秒の動画。連続上映できるようにループ状につないであった。セルロイドのフィルムに直接絵を印刷する合羽(かっぱ)版と呼ばれる手法で、黒と赤の2色を使っている。作者などは不明だ。
 「合羽版は(動画ではない)幻灯フィルムを印刷するために明治期に使われた技術。一緒に保管してあった映写機の製造年代などから、遅くても明治40年代の制作と判断される」と松本[夏樹、映像史研究家、大阪芸大非常勤講師]さんはみる。